2006年12月12日

2006 ホノルルマラソン

ホノルルマラソンを走ってきた。
今日の見出しは「ホノルルマラソンに出よかと…最終回」みたいなのにした方が
いいかも、って思うくらい、明日から何について書けばいいのかわからない。
今は、読むのに何時間もかかる記事を何時間もかけて書きたいような、そんな気分。
それくらい、初めての人間にとってフルマラソンとはすごいものだった。

2日前にハワイに来てから、ホノルルマラソンに対する気合がみなぎったり、
緊張感が高まったりというのは、それほどなかった。
2日とも朝から晩までゆっくり過ごせなかったからかもしれない。
俺、明日(あるいはあさって)、フルマラソンを走るのか、って、ふと思っていただけだった。
それでも夜中の1時に起きて、用意していた本番のウエアに着替え、
ツアーから支給された朝食を食べ、いろんな人からもらった応援のメッセージ(カードやハガキや鉢巻、それからweb上でもらっていたものはノートに書き写してきていた)を読み返し、計測チップのついたシューズを履くと、
「うっしゃ、やるで」という気持ちになって、カラダに力が入ってくる。
ちなみにヨメは前の晩にメッセージを読み返し、感激してまた泣いたらしい。

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これが朝食。(食べ物以外の物も写ってるけど)
ツアーからの支給と、はへほ〜さんのお友達からいただいた差入れの合体メニュー。

「当日はマラソン参加者でホテルのエレベーターが込み合うので早めに部屋を出てください」と言われていたので、前日はヨメと二人で非常階段の場所まで確認しておいたのに、エレベーターはすいていた。
バスは予定よりも早く2時20分頃にホテルを出発し、渋滞もなかったので3時前にはスタート地点から少し離れた荷物預かりの場所に着いていた。
はへほ〜さんは同じホテルだけど違うツアーなので、別のバスで現地へ向かう。スタート地点で探すのは不可能だろうから、会えるのはたぶんゴール後。

降りた場所で、マラソンが終わったあとに着替える服を袋に入れて預けておく。
DoCoMoで、仲間がポイントを通過するたびにメールが届くように申し込んでおいたので、
預ける荷物の中にこっそり携帯も入れておいた。

そこからスタート地点まで歩いていく。各団体のスタッフやランナーなど、
人は多いけどあたりは真っ暗だ。まだ3時だからね。
百均のカッパを用意しておいたのは正解だった。
けっして気温は低くないんだけど、なにせランパンなので、太腿のあたりから冷気が
上がってくるのを防げる。

スタート地点に到着したのが3時。ちらほらと人がいるだけで、あたりは暗く静かだった。
STARTという横断幕が交差点の上に張られ、側にはクレーンがいくつか待機している。仮設トイレの数が半端じゃない。

そうこうしているうちにパラパラと人が集まり始め、ゆっくりと道路が埋まって行く。
スタート地点の側を小さな川が流れていて、その対岸に広〜い芝生があり、
そこにたくさんのランナー集団が見えた。暗いのでよく見えないが、相当な数が集まっているようで、時々、どっと沸くような笑い声や「うぉー!」という気合を入れた声や、大きな拍手が聞こえる。その様子がとっても日本人。
(外人が見ればきっと気持ち悪く思うんだろうな)、とか(あの団体がこっちへ来たらトイレの前に列ができるんだろうな)などと思いながら見ていた。

ヨメと二人でストレッチをしたり、トイレを済ませたり、アップをしたりしているうちに、道路が人で埋まってきた。

最初は誰もいないスタート地点の道路が、

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こんなふうに、あちこちから徐々に人が集まり出し、

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最後にはこんなふうに人で埋め尽くされた。

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大会の主催者やスポンサーの挨拶があり、夜明け前のスタート地点にアメリカ国歌の斉唱が終わると、「ウォォオオオ!!!」という大歓声が上がる。

当然、群集の中に混じって様子を見ているこっちも、自分が今ホノルルマラソンのスタートラインに立っているという感激でドキドキしてくる。

そして午前5時ちょうどに号砲が鳴り、3万人近い群衆がいっせいにスタートした。
人の渋滞にも巻き込まれず、スムーズに走り出せた。
左側の空に、ドーン! パパーン!とお腹に響く音で花火が上がる。
花火は少し離れたところで上がっているために、どこまで走っても自分の真横で上がっているように見える。まるで自分の走りに合わせて移動しながら花火を上げてくれているみたいだ。

街灯がオレンジ色なので、道路も、ランナーの服も、何もかもがオレンジ色のフィルターがかかったような色になる。その夜明け前のオレンジ色の世界を群集に混じって走る。
ヨメと並んで走り、「コナミのマシンの方が花火の時間、長かったな」とか、「アスリートソルト食べるの忘れたな」などとしゃべりながらダウンタウンに向かって走る。
ヨメが「これ、どれくらいのペースやろ」と聞いてきたので「5分半ちょっと切るくらいとちゃうやろか」と答えた。クリスマスのイルミネーションを見ながらダウンタウンを走る。
嫁はウエストポーチからカメラを取り出し、走りながらシャッターを押たものの、手振れでうまく写らないようで、「あかん」などと言ってる。

今回はカメラを持って走るかどうか悩んだけど、やっぱり持たないで走ることに決めた。
時々立ち止まって美しい景色をカメラに収めながら走るというのも考えないではなかったけど、目的はホノルルマラソンではなくてフルマラソンを止まらずに完走することだったから。

スタートしてからまずダウンタウンへ向かい、逆戻りしてスタート地点に戻ってからワイキキのホテル街へ向かう。5km地点があっという間にやってきた。
5km通過が28分。早いように思っていたけど、5分半よりも遅いペースだった。

ヨメがしきりに「先に行ってくれたらいいよ」と言ってたので、「ちょっとペース上げるわな」と言いながら前に出ると、後ろからヨメが「ゴールで」と言った。

ワイキキへ向かう沿道には、それほど多くはないけど、人が出てきて応援を始めている。
まだ夜明け前なのに、わざわざ出てきてくれてるんだ。
食べ忘れたアスリートソルトを3粒ほど口に入れる。

2万7千数百人がいたスタート地点に戻って来ると、そこにはもうランナーはいなく、ただのマラソンコースの一部に変わっていた。あれだけの群集が今、長い蛇のようにダウンタウンからスタート地点に向かって動いているんだ。

3時に荷物を預けた場所を横切り、アラモアナショッピングセンターの前を通り過ぎた。事前にマップを見ていたので、このあたりは6km地点だ。
そこを走る時にふと、去年の大晦日に初めて6km走ったことを思い出した。
その時はものすごく長い距離に挑戦したように思ったけど、今はこんなに軽々と走り抜けている。

ワイキキの街が近づくにつれて、応援の人も増えてくる。けっこう大きな声で賑やかな応援だ。
ハワイの人はすこぶる明るい。こんなに気持ちよく走ったことなんてなかったんじゃないかと思うくらい、走っていて気持ちいい。こんなにたくさんの人間に混じって走ったこともないし、こんなにたくさんの外人に混じって走ったこともない。
知らない国で、知らない街の中を外人に応援されながら走っているのがなんだかうれしくて、スタートからずっと笑いながら走っていた。
俺は今、ホノルルマラソンを走っている。

ワイキキのメインストリートに入ると、応援が一気に変わる。
ツアーのスタッフ、アメフトのチアリーダーのようなグループ、ホテルの泊り客風の人たち
・・・歓声にも近いような掛け声の中を走っていく。

ナイキタウン、泊っているホテルの建物、ヴィトンのショップ、免税店、
いつもウロウロしていた通りを、ランパン、ランシャツで走っている。夜も明けていないのにたくさんの人の声援を浴びながら。

メインストリートを走り抜けると10kmの表示が見えた。
時計を見ると53分。5kmのラップが25分に上がっている。

1週間前に痛めた部分は完全に治しきれたみたいで、足も痛くないし、どこもだるくないし、息もあがっていない。
(このまま軽快に走ってやる)

10km地点を過ぎ、カピオラニ公園を抜けると、ダイヤモンドヘッドの上り坂が始まった。
ランナーを励まそうと、いろんな旅行社のスタッフが大きな声で声援を送っている。
帰りにもう一度走る時の坂はキツイだろうけど、行きの上りはぜんぜん気にしていなかった。
実際、何人かのスピードが落ちたランナーを抜かしながら軽く上った。
この程度の上り坂、神鍋マラソンやかもしかマラソンで経験した坂に比べたらどうってことない。

パンフレットなどによると、ここで朝日に染まる海が見えるらしいんだけど、
夜が明ける気配なんてどこにもないぞ。ちょっと損した気分。

ダイヤモンドヘッドを登りながら大きく回って、カハラの高級住宅街に入ってきた。
ここでも住人の人が家から出てきて声援を送ってくれている。
中には、真っ暗な中でドラムスをセットして演奏をしている人もいる。

ここを抜けてハイウエイに出るまでに15km地点があった。
スタートしてから1時間19分。この5kmは26分。
カラダはどこも異常なし。いまのところ快調に走れている。
(このまま行け)

ハイウエイに入った。
さっきまでオレンジ色の世界にいたけど、空が少しずつ白くなってきた。
でも太陽は見えないし、明るさから言っても、夜が明けたようには見えない。

ハイウエイの直線コースは7〜8km続くらしい。
これがランナーにとって、いやんなるくらい長いらしいんだけど、淀川でハーフを走った時の折り返しまでの単調な10kmを考えれば、景色もいいし、沿道の応援もあるし、給水所は賑やかだし、退屈さはぜんぜんない。

ハイウエイだから応援する人はいないのかというと、そうでもない。
横には歩道もあるので、応援が何百メートルも途絶えるということはない。

途中で顔に陽が当たり始めた。夜が明けたみたいだ。

今回の初フル用に、テーマ曲を2曲用意して、日本を発つ前からずっと聴いていた。
1曲は、ジャマイカの陸上選手がボブスレーに挑戦してカルガリーオリンピックに出るというスポ根映画「クールランニング」のテーマ:I Can See Clearly Now。
ホノルルマラソンにレゲエは似合うだろうなと思っていたけど、実際に頭の中に曲を流しながら走ってみると、これがなかなかマッチする。

♪It's gonna be a bright bright sunshiny day〜

それともう1曲は、徳永英明の、昔から好きだった「夢を信じて」という曲。

♪いくつの街を 越えてゆくのだろう
 明日へと続く この道は
   ・
   ・
♪夢を信じて 生きてゆけばいいさと
 君は叫んだだろう

我ながら、いい曲をチョイスしたかも。

そうこうしているうちにハーフ地点を通過。もうハーフを過ぎたのか・・。
タイムは1時間51分。
膝と足の裏が痛くなってきたけど、まだ走れる。

周りを見ていて思ったんだけど、外人の市民ランナーって、日本人とはぜんぜん違う。
すごくカラダが大きくて、体重も重たそうだったり、走りにくそうな変なフォームで走っていたりするのに、速かったりする。
日本人の方がずっと無駄のない軽やかな走りをしてるのに、どうしてそこそこのスピードで走れるんだろう。足が長いからかな。それとも筋肉が頑丈なのかな。

でもハイウエイの反対車線をすれ違いながら走る先頭集団のランナーは違う。
かもしかのような長くて細い脚の黒人がすごいスピードで何人も駆け抜けて行く。
オリンピックみたいだ。

ここまで、自分なりにだいたい30分おきにアスリートソルトを1粒ずつ口に入れていた。
目の前にエイドが見えたので、走るのがちょっとしんどくなってきたというのもあって、
1本目のカーボショッツをウエストポーチから出してグチュっと飲んで、
エイドで受け取ったアミノバリューで流し込んだ。

長いハイウエイが終わるとハワイカイをぐるっと1周回って、またハイウエイに戻る。
ぐるっと1周と言っても、たぶん5kmくらいある。
何でもいいから栄養補給がしたくなって、ウエストポーチに入れていた飴を取り出して口に入れた。中に大豆が入った黒飴で、最近これが大好物で、事務所でも1日に10個以上食べている。

25km地点のタイムが2時間11分。
(あと17km、走りきってやる)

しかしここまで来ると、さすがにカラダの重さを感じながら走っていた。
脚もあちこちジンジンと痛い。
気温はそれほど気にならないけど、
明らかに腰が落ちて、ストライドが短くなっている。
ガクッとペースが落ちて、カラダが少しずつ動かなくなり始めているのがわかる。
カーボショッツは効いてるのか。
飲めば10分くらいで不死鳥のように蘇るんじゃなかったのか。

今回は、速く走ろうとか遅く走ろうとか、そんなことは考えず、どこかでバテるのは決まっているので、それまでは自分にとって気持ちがいいと思えるスピードでマラソンコースを行って帰ってこようと思っていた。
そんなふうに予想はしていたけど、やっぱりフルマラソンは楽には走れない。
ただ、ちょっぴりこの時を楽しみにしていた。
本当にきつくなってから、気持ちをどれだけしっかり持てるのか、これがフルマラソンなんだと思ってどれくらい走ることを楽しめるのか。

でも、カラダに疲労が出始めてからの走りは、楽しむというような甘いもんじゃなかった。
膝の周りと足の裏だけだった痛みの場所が他の部分にも増えてきた。
サッカーのワールドカップの試合、テレビではわからなかったけど、きっとヒデの脚もこんなふうにあちこち痛かったんだろうな。それでも最後まで全力で走ったんだから、俺だって走らなきゃ。なんて思いながら走ってみた。
どんな方法でもいいから力が欲しくて、腰に付けた御守りを触ってみたりもした。

エイドでアミノバリューをもらって、2本目のカーボショッツを流し込む。
3種類の味を買ったけど、どれが何の味なのか、飲んでもぜんぜんわからない。

すっかり忘れていたけど、
バテてから気持ちを支えるための作戦を用意していたのを思い出した。
ジャジャン! 名づけて「苦しくなったら腕を見ろ作戦」。

前の晩、全部の準備を終えた後に、いろんな人からもらってた応援のメッセージと、大会の直前で怪我をしてホノルルに来れなかった仲間の名前を腕に書いておいた。
感動しやすい自分にとって、この作戦は効果抜群だと思っていた。

でも、メッセージを腕に書いたりなんてしなければよかったと思った。

確かに効果は抜群だったけど、
走りながら腕に目をやっただけで、突然、涙が出てきた。

 「日本より応援してます」

 「最高の笑顔で帰ってきてくださいね」

書いてる時はどうもなかったのに、カラダの痛みを感じて走りながら読むと、
その言葉は特別な力を持っていた。

30kmの通過が2時間37分。あと12km。

 「自信を持ってスタートラインに立ってください」

 「いつもどおり練習のつもりで走れば必ずよい結果がでるはず!」

 「私の分まで心地よい走りを楽しんできて下さいね」

読むだけで、うつむき加減になっていた上半身がまっすぐ立ち、顔が前を向く。

 「自分たちを信じて」

とどめはこの言葉だった。
汗よりも涙のほうがたくさん出てきた。
呼吸をしていても、息を吸うときに喉がヒフッ、ヒフッと鳴っている。
何を泣きながら走ってんだ俺。

30kmからの5kmごとの表示は、実際よりもはるかに長く感じた。
しっかりと腕を振ってるつもりなんだけど、なんだかロボットが頑張ってるみたいな走りになっている。
膝の周りがジンジンと痛く、着地するたびに足の裏も痛い。
お尻と太腿の筋肉が突っ張ってピキピキしている。
歩幅もさらに短い。もう完全にフルマラソンに跳ね返されている。

3本目のカーボショッツを取り出して飲む。
飲んではいるけど、効いてるのかもしれないけど、カーボショッツよりも腕に書いたメッセージの方がはるかに力をチャージしてくれる。

35kmを3時間4分で通過。あと7km。いつもならどうってことない距離だけど。

そこでハイウエイが終わり、またカハラの住宅街を走る。
夜明け前と比べると、応援の人がずいぶんと増えている。
楽器を演奏している人、ゼリーを配っている人、「オーレンジ、オーレンジ」と言いながら切ったオレンジを配っている老人。家からホースを出してきてランナーにシャワーを浴びせている人。この人は2万7千人のランナーが通り過ぎるまで、十何時間も水を出し続けるんだろうか・・。

右手前方にダイヤモンドヘッドが見えてきた。行きはともかく、帰り道で見るダイヤモンドヘッドは、とてつもなく大きな山に見えた。

ダイヤモンドヘッドの上り坂にさしかかった。
さすがに、「神鍋やかもしかに比べたら・・」なんて強がりが言える状態じゃない。
辛い気持ちで走っている人の中には、天の神様に「歩いていいですか」って、聞きたくなる人もいるかもしれない。
実際、フルマラソンに出ることを誰にも言わず、ブログも書かず、誰とも一緒に走らず、たった一人で練習していたら、歩きたくなっていたかもしれない。
でも、自分はひとりでここまで来たわけじゃない。
福知山マラソンを走った人だって、最後は長い上り坂を懸命に走ったんだ。

 「自分たちを信じて」

この言葉がよぎるたびに、男のくせに顔が崩れて涙があふれてきた。

周りのランナーは、カメラに向かって手を振りながら走ったりしてるけど、こっちにそんな余裕は残っていない。

坂の途中はたくさんの人が大きな声で応援をしてくれていた。

「グッ ジョーブ!」

「がんばってー!」

「グレー ジョー!」(great jobって言ってるんだろうな、灰色のジョーじゃなくて・・)

坂を上りきると、カピオラニ公園までは下りが続く。
あと2km。下りで加速するぞ、と気持ちでは思っているものの、ぜんぜんスピードは上がってない。

颯爽と、というよりもヨタヨタと下りきってゴール地点のあるカピオラニ公園まで帰ってきた。
「あと1キロ! がんばって!」という声に混じって、たくさんの声援が飛ぶ。
あともうちょっと・・・。
いつものペース走なら、残り1kmだったらキロ4分くらいまで上がってるだろ、と思うものの、お尻も太腿の裏も、ちょっと力を入れたらつりそうな状態で、しかもロボットのようなギクシャクした動きで、とてもそんなふうに走れるカラダではなくなっていた。

500mくらい先に FINISH と書かれたゲートが見えた。
前日にジョギングで来た時には普通のゲートに見えたけど、今はものすごく遠くにある場所までたどりついた所に立っている偉大な門のように見える。

両サイドの沿道の応援がすごい。隣りのランナーと会話をしたとしても聞こえないかも。
何を言ってるのかわからないけど、全部がランナーへの声援であることには違いない。
まるで周りで応援してる人が何十人も集まってきて、自分の体を頭上に持ち上げてゴールへ運んでくれているみたいだ。
これがホノルルマラソンなのか。

そんな気持ちで走りながらゴールに近づくにつれて、沿道で応援してくれている群衆の中に、自分の知っている人たちの顔がはっきりと見えてきた。
みんな日本にいるはずなのに、右サイドにも左サイドにも、群集の隙間からカラダを出して、こっちに笑顔を向けながら「がんばれー」「もうちょっとやー」などと手を振ってくれている。
そしたらまた顔がぐしゃぐしゃに崩れて、すごい量の涙が流れてきた。

そして、頭上に右手を上げながら、
まだ走ったことがなかった42.195地点のゴールを踏んだ。

5時にスタートしてから、3時間46分15秒。

やったぞ。というよりも、ありがとう、ありがとう、と心の中で言いながら、恥ずかしいけどまだ泣きながら歩いていた。1時間でも2時間でも泣き続けられそうだった。

ゴール後も延々とたくさんの人の祝福を受けながら歩く。
水を2杯もらって飲んだ。
ストレッチをしようしてしゃがみかけたけど、足全体が痛くてしゃがめない。


歩きたくなかったけど、ゆっくりと荷物受け取りの場所まで歩いて携帯を取り出した。
DoCoMoのサイトから仲間のポイント通過を知らせるたくさんのメールが届いていた。
最新の通知を見ると、ヨメが30km地点を3時間10分で通過していた。
・・・そんなに頑張ってるのか。

急いでゴール地点へ戻り、見逃さないように帰ってくるランナーを見続けた。
30分ほど待っていると、ヨメがゴールしてきた。
大声で呼ぶと、気がついてこっちへやってきて、抱きついてオイオイと泣き始めた。
同じコースを走ってきたんだから、何も言わなくても、走り終わったばかりの自分には初フルがどれだけしんどいか、同じようにわかる。
4時間30分、頑張って走ってきたんだ。

他のメールを見ると、はへほ〜さんがハーフ地点を2時間56分で通過していた。
完走できるかどうかも不安がってたのに、必死で頑張ってるんだ。このまま頑張れ。

30km地点を4時間36分で通過。10kmを1時間半くらいのペースで走り続けている。・・・頑張れ。

結局はへほ〜さんは、最後まで諦めずに6時間1分で完走した。

初めてのフルマラソンは、想像以上に長くて辛かった。
でも今は、ずっと目標にして過ごしてきた事を達成できたことで、今までに味わったことのない感動でカラダ中がいっぱいだ。

ハワイの山も木も、空も土も、全部が祝福してくれているみたいだ。
ホノルルで初めてフルマラソンを走った人って、みんなこんな気持ちになったんだろうか。

1年間頑張ってきて、ほんとによかった。ほんとによかった。ほんとによかった。


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posted by まこと at 00:29| Comment(28) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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